将ノ五条ト五常ト五常訓
孫子:将とは、智、信、仁、勇、厳なり
リーダー「五つの条件」
第一は「智」である。
「勝算なきは戦うなかれ」が孫子の兵法の基本的な前提条件の一つであるが、勝算のあるなしを見分けるのが智にほかならない。状況を読む力、あるいは先見力といってもよい。じつをいうと、人間の識別能力には智よりももう一つ上のレベルがある。それは「明」である。では智と明のちがいはどこにあるのか。「老子」という本に、「人を知る者は智なり、己を知る者は明なり」とある。将たる者はできれば明でありたいが、とりあえずは智でよろしいということだ。明はかなり先天的な能力であるが、智は後天的な努力で身につけることが出来る。それには先人の経験に学ばなければならない。
第二は「信」である。
信とは、ウソをつかない、約束を守るということだ。将たる者が二枚舌を使っていたのでは、部下はついてこない。「すまん、すまん、あの件はなかったことにしてくれ」などと、やたら前言を訂正していたのでは、周囲の信頼も得られない。こんなことをやっていたのでは、とたんに統率力の低下を招く。「書経」という本に、「綸言、汗の如し」ということばがある。「綸言」とは天子のことば、「汗の如し」とは、汗のようにいちど出てしまえばもうもどってこない、取り消しがきかないという意味。だからトップたる者は、発現はくれぐれも慎重にしなければならないという意味を寓(ぐう)した言葉である。これはトップだけでなく、すべてのリーダーの自戒するところでなければならない。 孫子のいう「信」には、そのような意味も含まれているのである。
第三は「仁」である。
わかりやすくいえば、思いやりである。部下をこき使うだけで思いやりのないリーダーは、部下を心服させることが出来ない。組織としてのまとまりにも欠けてくる。そうならないためには、リーダーたる者は部下の心をとらえる魅力がなければならない。そのためには、仁が必要だ、というのである。
第四は「勇」である。
これは勇気と理解してよい。あるいは決断力といってよいかもしれない。勇というと、われわれ日本人は、とにかく前へ前へとやみくもに進むことが勇だと思いがちである。だが、中国人にいわせると、それは、勇は勇でも「匹夫の勇」にすぎない。将たる者の勇とは、勝算なしと見極めたときには、ためらわず撤退する勇である。つまり、あえて後へ退く勇、これが孫子のいう勇にほかならない。
第五が「厳」である。
厳しい態度、すなわち信賞必罰をもって部下に臨むということだ。部下に対する統率力についていえば、先にあげた仁だけでは、どうしても組織に甘えの構造を生みやすい。そこで必要になるのがこの厳である。厳と仁をどう使い分けるのかが、部下を統率するカギになる。
仁:思いやりの心で万人を愛し、利己的な欲望を抑えて礼儀をとりおこなうことである
義:利欲にとらわれず、なすべきことをすること
礼:「仁」を具体的な行動として表したもの。
智:道理をよく知り得ている人。知識豊富な人
信:友情に厚く、言明をたがえないこと、真実を告げること、約束を守ること、誠実であること
仁に過ぎれば弱くなる。 人を大切にし過ぎれば、相手のためになりませんよ
義に過ぎれば固くなる。 正義を振りかざすと融通が利かなくなりますよ
礼に過ぎれば諂いとなる。礼儀正し過ぎると、相手に対する厭味ですよ
智に過ぎれば嘘をつく。 頭が良過ぎると平気で嘘をつきますよ
信に過ぎれば損をする。 他人を信じ過ぎると何かと損をしますよ
昨日の会議後の懇親会で
こんな言葉をいただきました。
フムフム