『人学バザレバ智ナシ、智ナキ者ハ愚人ナリ』 【40/366】
中津が誇る偉人「福澤諭吉」先生。
言わずもがな、日本最高額紙幣の肖像画の方です。
福澤先生といえば、学問のすすめ。学問のすすめと言えば福澤先生というくらい、日本国民ほとんどの方が知っているのではないかと思う「学問のすすめ」。明治期の大ベストセラーですよね。
その初編の書き出し
「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」
は、誰もが一度は耳にしたことのある言葉ではないでしょうか。
「人類皆平等」的な捉え方をされる時によく聞きますよね。
でも、中津の人でもここまでは知っていても、この先にどう書かれているかということをほとんどの知らない方が多いんです。(詳しく知ってる方も勿論沢山いらっしゃいますよ)
なぜなら・・・特に中津で生まれ育っても特別福澤先生のことを学ぶ機会がないから。だから、よその地域の人と同じ程度の認識しかないんですよね。ちょっと残念。
さて、この「天は・・・」ではじまる学問のすすめ。当然続きがあります。というか、全17編もある書物ですから。続きがなんて書かれてるかというと、以下のとおり。
「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」と言えり。されば天より人を生ずるには、万人は万人みな同じ位にして、生まれながら貴賤上下の差別なく、万物の霊たる身と心との働きをもって天地の間にあるよろずの物を資り、もって衣食住の用を達し、自由自在、互いに人の妨げをなさずしておのおの安楽にこの世を渡らしめ給うの趣意なり。されども今、広くこの人間世界を見渡すに、かしこき人あり、おろかなる人あり、貧しきもあり、富めるもあり、貴人もあり、下人もありて、その有様雲と泥との相違あるに似たるはなんぞや。その次第はなはだ明らかなり。『実語教』に、「人学ばざれば智なし、智なき者は愚人なり」とあり。されば賢人と愚人との別は学ぶと学ばざるとによりてできるものなり。- 学問のすすめ 初編より -
実は私が好きなのはこの赤い文字部分。
冒頭で、人は平等ですよと言ってるんですが、世の中には賢い人や愚かな人、貧しい人、富んでる人などなどいて、平等なはずの人間が不平等なのはなぜなのか?ということがこの一文に書かれているわけです。
人は学ぶか学ばないかで、人生大きな差になるよ〜って福澤先生は言ってるわけです。
ただ、「学ぶ」って所謂勉強だけじゃないと思うんです。生きていれば身の回りのこと、全てが学ぶ対象になると。そして、その「学び」が楽しみながらできたら最高ですね。
仕事だって、日々学ぶことがあり、成長する自分に喜びを感じながらすごせたら最高に幸せですね。
ちなみに、学問のすすめ初編は、福澤先生が故郷である中津に学校を作るにあたり、中津の友人や子供達向けに書かれているそうです。
これでも当時の易しい言葉らしいですが、現代人にはちょっと原文で読み続けるのは辛いかも・・・
kindle版は無料でダウンロードできますよ。
読むのが辛い方は、斎藤先生の現代語訳でいかがでしょうか?
さらに、ちなみに、学問のすすめの初編だけは、福澤先生と小幡篤次郎先生(慶應義塾第3代塾長)の共著で、小幡先生は中津市立小幡記念図書館の名前の方です。